遅刻いい夫婦の日SS (イズミハ・パラレル)

☆2日☆

●日記にイズミハSS。
●オフライン。




もう12月ってマジカ…(汗)




ホント、月日が経つのがあっと言う間(汗)
相変わらずの毎日です。

しかし、合間合間に25動を廻り、現在人力ボカロに嵌り中です。
家での作業や仕事中に聞いていると、それだけで耳が幸せ~(*´д`)
お気に入りはヘタ島国の「ひとりぼっち日英同盟」と、蒼紅の同曲と、真田主従の「パラジクロロベンゼン」です。
子安さんマジいい声だぁ~vv

そう言えば、振りはこう言うの見かけない気がします。
あ、でも、ピッチ変えが代わりにあるか。
動画も作品毎に特色あって面白いですね!



そんな作業用BGMを聞きながらちまちま休日に書いていたイズミハSSを久々にうpです。
一応いい夫婦の日ネタ。
…全然間に合いませんでしたがorz

オフ本の「遠い日の唄」設定となっているのでご存じない方申し訳ありません(汗)
取り敢えず、「戦国時代」「三橋主」「泉従者」「泉忍(忍隊の長)」「何だかんだあって二人くっついた後」と言う事だけ知っていれば特に問題はないかと思われます。
あと「田島が泉の同僚(部下?)」。

上記の前提の通り趣味に走った話となっておりますので心の広い方のみ宜しくお願い致します。










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【母子な夫婦】





忍はその役目から周りの空気を読むことに長ける。
諜報にしろ暗殺にしろ潜入にしろ護衛にしろ、全てにおいて常に周りを見、警戒し、状況に応じた判断を下さねばならないからだ。
それらを全て野生の勘で行う自分は当てはまらないと前置きをした上で言わせて貰えば、それ故に日常生活における忍は非常に気の利く者が多いと田島は思っている。
そこらの小姓など目ではないくらい。
非常に良妻となるだろうと思うのだ。
うちの忍長の様に。



暖かな秋の昼下がり。
三橋家の屋敷の庭先には刀が空を斬る音だけが響いていた。
と言っても別に物騒な意味ではない。
単に体を動かすことが好きな主が鍛錬として刀を振るっているのだ。
非番の田島はそれを護衛と言うほど気負いもなく、木の枝に寝転がって何とも無しに眺めていたのだが。
程なくしてそのピンと張り詰めた空気を破る声音が響いてそちらに目を向ける。

「三橋ー。茶淹れたからそろそろ休憩にしなー。」

声の主は言わずもがな、同僚の泉で。
しかし彼は普段の忍装束ではない、下男のような姿で手には盆を乗せていた。
ずっと様子を見ていた訳でもないのに、丁度三橋が疲れてきそうな頃合に声をかけてくるのは毎度の事とは言え流石と言うしかない。
そのタイミングのよさには田島は毎度感心させられるものだ。
そして、汗をかいている三橋に手拭いを渡し顔や首元を拭かせた後は、三橋がそれを返すのと交換で今度は手拭き用の濡れたものを渡す。
田島や三橋だけならば同じもので拭いて終わりにするところだが。
態々分ける辺りが細やかだなと思うのだ。

そうしてから三橋に差し出されたお八つは今日は練り切りだった。
普段は主が好物と言う団子や饅頭が多いのだが。
今日に限って違うのは、恐らくそれが今日から売り出された甘味屋の新作だからだ。
半月程前だったか、用事で城下を訪れた際にもうすぐ秋の新作が出るのだと店の女将が言っていた。
それを楽しみだと三橋が言っていたのを泉は聞いて覚えていたのだ。
その時三橋と話していたのは田島で、泉は隣で黙って会話を聞いていただけだった。
当事者の田島でさえ、また今度町に下りた時にでも――ぐらいにしか思っていなかったと言うのに。
態々日を覚えていて、しかも当日にそれを買いに走るとは。
何ともマメと言うか。
健気な事である。

秋らしく鮮やかな紅と橙に色付けされ、紅葉の形に模られたその練りきりの中には甘い餡が入っており、疲れた体には丁度いい。
そして甘い菓子に合わせたお茶はいつもより少し濃い目に淹れられている事を田島は知っている。
お茶の味までその日の茶請けによって変える。
これを良妻と言わず何と言うのか。

「あ、三橋、袖のとこ、解れてんぞ。」
「う…?あ、ほんと、だ…どっかひっかけた、か、な…」
「繕わせとくから後で脱いで置いておいてな。代わりの小袖は出しとくから。」
「うん。」

いっそ甲斐甲斐しいまでの気の利き様に田島は呆れるが、それすらも甘い。

「泉、君…俺、この後…」
「政務に戻るんだろ?」
「うん、それで、ね…あれ…」
「あぁ、お気に入りの筆な。小袖と一緒に出して、文机の上に置いといてやるから。」

アレの一言で通じる辺りはもはや熟年の夫婦のようだ。

けれど、と田島は考える。
考えながら二人を見下ろす。

(何か違う感じがすんのは、三橋が幼いからなんかなぁ…)

新婚夫婦のような甲斐甲斐しさで、そして熟年夫婦のようなツーカー振りを見せながらも、二人を見ていてもどうしても恋仲の様に見えないこの不思議さは一体何なのか。

(何っか、過保護な親とその子供に見えるんだよな~…)

それとも泉が気が利きすぎるのが悪いのか。

「三橋、口元ついてんぞ。」
「ぅ、え?どこ…?」
「右の…反対だって。あー…いいや。」

こっちの方が早いと泉が先程手を拭かせた濡れた手拭いでぐいぐいと口元を拭う。
その光景はそのまま幼子と母親のそれだ。
折角恋仲になったのだから、もう少しそれらしくすればいいのに勿体無い。

(でも、まぁ…)

「ありが、とう!」
「いーえー。」

笑い合う二人は酷く幸せそうだ。
いつも通りだと言うのに、まるで特別な事の様に。
それを見てしまえばもう何も言えなくなってしまう。
結局、この二人にはいつも通りの日常が一番と言う事なのだろう。
ならば田島が口を出すことは何も無い。

二人が幸せならばまぁいいか、と。
田島は一つ息を吐いて、今度こそ昼寝に興じようとその場で瞳を閉じたのだった。










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